2026年「本屋大賞」予想

書籍

本屋大賞予想も3回目になりました。昨年はノミネートされてから10冊読むのがかなり大変だったので、ノミネートされそうな本を年末から読んでいていました。今回は事前に3冊読むことができました。読んだ順にまず紹介します。

朝井りょう「イン・ザ・メガチャーチ」

作家生活15周年記念作品。かなりのページ数で、気合が入っているのが分かります。朝井さんの作品は、知識や情報がいっぱいで、読むのに苦労することもあるのですが、読み応えはかなりあります。帯の言葉にまず心惹かれました。

神がいないこの国で人を操るには、”物語”を使うのが一番いいんですよ

まずメガチャーチの意味を調べました。

メガチャーチ(Megachurch)は、主にアメリカで見られる、週末の礼拝出席者数が2,000人を超える巨大なプロテスタント教会。カリスマ的な牧師、ライブ演奏や最新音響設備を用いたコンサート風の礼拝、独自の小グループ活動が特徴。 カフェや書店などの巨大な複合施設を持つこともあるエンターテインメント性の高い礼拝。

3人の視点で語られます。アイドルグループの運営に参画することになる久保田慶彦、1人にアイドルに出会う武藤澄香、舞台俳優を熱烈に応援していた隈川絢子。それぞれが「推し活」にのめり込んでいく。メディアを操る人、メディアを疑う人。今世の中は巨大な情報に囲まれている…だからメガチャーチなのか…

瀬尾まいこ「ありか」

瀬尾まいこの作品はいつもほっこりしていて安心して読めます。今回はどんな感動があるのかな、と思って読みました。

一人娘のひかりを育てているシングルマザーの美空。義弟の颯斗は2人のことを気にかけて何かと世話を焼いてくれます。美空は実母とは関係がよくありません。颯斗は男性の恋人がいます。それぞれの悩みを抱えながらも、2人の関係にほっこりします。瀬尾まいこは、血縁関係のない人たちのほっこりした繋がりを書くのがうまいと思います。

村山由佳「PRISE」

出せば必ずベストセラーになり、本屋大賞も受賞していて、直木賞にもノミネートされている人気作家天羽カイン。でも、なかなか直木賞がとれない。南十字書房の緒沢千紘と二人三脚で直木賞をめざします。カインに信頼されている千紘ですが、その過信がとんでもない問題を起こします。まさに手に汗を握る展開で、あっという間に読めました。書店関係者はこのようなストーーリーが好きだと思います。

野宮有「殺し屋の営業術」

一流の営業マンが、殺し屋の営業マンになります。設定が新鮮。主人公の鳥井の心理や性格の描写が丁寧で、普通の人が殺し屋になる展開に無理がなかったです。ただ本屋大賞で殺し屋はないかな?と思いました。少ししんどいです。それでも展開が面白く、一気に読んでしまいました。江戸川乱歩賞を取ったのも納得できます。

森バジル「探偵小石は恋しない」

小石探偵事務所代表の小石想依と相談員蓮杖慧が探偵として事件を解決していくのですが…題名に「小石は恋しない」とあるように人の恋愛事情も絡められていて…推理することがたくさんあり、伏線もたくさんあり、話がつながり…推理小説であり、恋愛小説でありこれって面白いやん!と思いました。なるほど感いっぱいの小説です。

夏川草介「エピクロスの処方箋」

2年前に本屋大賞第4位になった「スピノザの診察室」のスピンオフ小説。また出会えた雄町哲郎。彼が主人公なら間違いない、絶対に素敵な内容。

エピクロスとは古代ギリシャの哲学者で、快楽主義を提唱しましたが、彼の言う快楽とは、心身の平和を意味しています。

名言がいっぱい出てきます。「治せない病気は山のようにあるが、癒やせない哀しみはない。」「人を救うのは、医療ではない。人なんだ。」「降り続く雨を止めることはできないが、傘をさすことはできる。」

医療の現場は大変なことが多いけど、人を見る哲郎の生き方にホッとする内容です。

伊坂幸太郎「さよならジャバウォック」

ジャバウォックとは、生物の前頭葉に張り付いて、その生物の性格を狂わせる病原体。その生物が死ぬと近くにいる生物に移ります。

主人公量子は、夫を殺してから意識を失い、ジャバウォックを退治している2人の若者と出会い、行動を共にすることになるのですが…なんだか違和感があり、それがなんだかわからないというミステリーがあります。私は最後までわからず…あっ、そういうことか!と最後に納得しました。飛ばさずにゆっくり読んで良かったです。

佐藤正午「熟柿」

交通事故で服役した主人公かおり。生き別れになった息子を思いつつ、懸命に生きて行きます。いろいろな人との出会いがあり、よい人も悪い人もいて、人物像がよくできていると思いました。

熟した柿の実が自然に落ちるのを待つように、気長に時期が来るのを待つこと

湊かなえ「暁星」(あけぼし)

いわゆる山上事件にヒントを得て書かれた小説で、母親が新興宗教にのめり込み、その宗教とつながりの深い有力政治家を殺した男性が主人公です。まだ現実のこの事件の犯人の裁判が最後までいっていない段階で、こういう話を書いていいのかなあ?とまず思いました。ただ、これはフィクションで、小説家の話も出ているし、後半は小説家の女性の視点で描かれているので、山上事件を知らなかったら、文句なしに素晴らしい小説だと思いました。

櫻田智也「失われた貌」

山奥で顔を潰され歯を抜かれ、手首から先を切り落とされた死体が発見されました。刑事の日野はまるで探偵のように細かいことまで調べていきます。最後近くなるまで、真実が分からず、分かった時は「あっ!そうか…」と思いました。人間模様もあり、一気に読めました。ミステリー関係の賞を3冠というだけあり、ミステリーとしての読み応えはたっぷりありました。

本屋大賞ノミネート予想

今更ですが、ノミネート予想して読んだ本が7冊あります。

  • イン・ザ・メガチャーチ
  • ありか
  • PRISE
  • どうせ世界は終わるけど
  • ブレイクショットの軌跡
  • 謎の香りはパン屋から
  • アフター・ユー

上の3冊はノミネートされましたが、下の4冊はノミネートされませんでした。私としては「ブレイクショットの軌跡」は絶対ノミネートされると思ったんですが。やや長くで焦点が絞りきれなかったのかもしれません。書店員がお勧めするには少し難しいかもしれません…でも、これは名作ですよ。私は強くお勧めします。

本屋大賞予想

いつものことですが、どれも名作で、1つに絞るのは難しいです。今回は傾向としてはミステリー風小説が多いことです。今までは、ミステリー小説は1つぐらいで、大賞には選ばれていません。ミステリー小説は、続きが気になってどんどん読み進めていくことができて面白いです。書店員さんにミステリー好きが増えたのでしょうか?でも、大賞となると厳しいかもしれません。

文藝大賞なら「イン・ザ・メガチャーチ」です。かなりの力作で、感心することしきりでした。ただ長編でやや難しいので、書店員がお勧めとして選ぶかどうから微妙なところです。

私が一番気に入ったのは「PRISE」です。作家の人物像や気持ちがよく分かり、編集者の心理描写もいいです。私が書店員ならこの小説に投票します。ただ「暁星」でも、作家が出てくるので、票が分かれるかもしれません。

その「暁星」はさすが!の内容です。前半がノンフィクションで、後半がフィクションという設定で、同じ登場人物でも内容が異なってきています。この前半と後半がどう噛み合ってくるか…好みの問題ですね。

文学的要素が強いのは「熟柿」かな、と思います。心理描写を読ませるのは本屋大賞によくあることです。

ホッと安心するのは、「エピクロスの処方箋」と「ありか」です。「ありか」はザ・本屋大賞という感じの書店員さんが気に入りそうな内容です。「エピクロスの処方箋」も期待通りの安定感です。ただ「エピクロスの処方箋」は2年前の「スピノザの診察室」と登場人物が同じなので、さすがに大賞はないと思います。

ミステリーの中で頭1つ出ているのが「失われた貌」です。これでもかーという感じで事件を紛糾させます。

探偵小石は恋しない」は、推理と恋愛の混じったミステリーでとても読みやすいです。小説が苦手な人にもお勧めできます。ただ、探偵者ものは「失われた貌」にも出てくるんです。

殺し屋の営業術」も犯罪が出てきます。(殺し屋なので、当たり前ですが…)事件関係の小説家が多く、票が割れるかもしれません。

さよならジャバウォック」にも事件は出てきますが、ミステリー的な要素が濃いので、ミステリー的な小説の中ではこの小説が票を集めると思います。

本屋大賞は書店員が一票を持っていて、読んでもらいたい本に投票すると考えると今回は「イン・ザ・メガチャーチ」だと思います。

私の予想順位

  • 1「イン・ザ・メガチャーチ」
  • 2「PRISE」
  • 3「暁星」
  • 4「熟柿」
  • 5「失われた貌」
  • 6「さよならジャバウォック」
  • 7「エピクロスの処方箋」
  • 8「ありか」
  • 9「殺し屋の営業術」
  • 10「探偵小石は恋しない」

大賞発表は4月9日です。予想が当たっているかどうか楽しみです。

mimi
mimi

今回は余裕を持って読み終えることができました

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